実際に(社)日本警察犬協会が、警察犬として認める犬種は7種にものぼります。 それぞれ性格、特技、体型がことなり、様々な状況下において的確に、対応できるようトレーニングを行います。 ここではその代表的な7犬種、ジャーマンシェパード、ドーベルマン、エアデールテリア、コリー、ボクサー、ラブラドールレトリーバ、ゴールデンレトリーバをご紹介いたします。

ジャーマンシェパード

ジャーマンシェパード

アジアやヨーロッパ各地にはそれぞれの土地に適した牧羊犬が多数存在しており、ドイツでもチューリンゲン、クローネ、ヴェルテンベルク地方などに種々のタイプの牧羊犬がいた。 これらを選択、改良したのが現在のジャーマン・シェパードである。 シェパードとは「羊飼い」の意で、ジャーマン・シェパードは世界的に最もよく知られた犬である。 体高より体長がやや長い、非常に頑健な中型犬で、ピンと大きく立った耳と太くたくましい尾を持つ。 鋭い目の中に優しさがのぞき、さっそうと走るさまは威厳を感じさせる。 侵入者に対する警戒心の強さとは逆に、家族に対する忠誠心が高く、信頼のおける家庭犬として世界中で飼育されている。

ドーベルマン

ドーベルマン

ドーベルマンは20世紀になってドイツで作出された新しい犬種である。感覚が鋭敏、大胆で従順、嗅覚に優れているため番犬や伴侶犬として使われている。 短毛できわめて無駄のない方形体の中型犬で、筋肉質で引き締まった体格は力量感に満ちている。 くさび形の頭部、力強い口吻など、この犬種特有の直線美は洗練され優美で高貴とも言える姿を見せ、サラブレットを思わせる。 黒く、強い表情の目は体形からくる印象と調和している。 断耳された場合の耳は直立し、尾は第2関節で断尾される。

エアデールテリア

エアデールテリア

エアデール・テリアは19世紀後半に作出され、主としてカワウソ猟に用いられて来た比較的新しいテリアである。 家庭犬として理想的な資質を有し、忍耐強く温順で聡明な判断力をもつ気品のあるテリアである。 テリア犬種の持つ威厳とハウンドゆずりの優しさを兼ね備えた犬で、きわめて従順、子供に対しては年令相応に良き遊び相手となる。 体高と体長が等しい方形体で、天候の影響を受けない針金状の密生した被毛にオッター・ハウンドゆずりの低い吠え声が特徴である。 強壮な体質の犬種として知られ、特にジステンバーに対する抵抗力が強いと伝えられて来た。

コリー

コリー

牧羊犬としての歴史の長いコリーであるが、その血統が管理されるようになったのは19世紀になってからである。 これ以降、コリーは牧羊犬としての性能ではなく、家庭犬、鑑賞犬として評価されるようになり、計画繁殖の結果、体も大型となり容姿も洗練される。 被毛色も増え、現在の一般的な被毛色であるセーブルも登場する。 コリーの卓越した牧羊犬としての資質は、温和で明朗、人に対して献身的な家庭犬として受け継がれている。

ボクサー

ボクサー

ボクサーはドイツで作出された比較的新しい犬種である。 ボクサーは作業意欲が旺盛で、忍耐強く、忠実、勇敢と言う特性をもち、軍用犬、警察犬、イノシシ狩り犬として盛んに用いられた。 ボクサーの毛色はフォーンとブリンドルの2種で、白斑は体表の3分の1を超えてはならない。 頭部の白斑は左右対称が望まれ、顔面のブラックマスクは必須とされる。スクエアな体躯構成と強健な骨格をもつ事が要求される。 グレート・デン同様、英国では断尾のみ、アメリカでは断耳、断尾されるのが一般的である。

ラブラドール リトリバー

ラブラドール リトリバー

ラブラドール・リトリバーは鳥猟犬としてよりも、卓越した訓練性能のゆえに、警察犬や盲導犬、麻薬捜査犬などとして社会に役立っている。 性格穏和な使役犬で、鼻を使っての捜索作業は素晴らしい。 服従心も抜群で、シェパード犬に匹敵する訓練性能を有す。 しかし、性格がきわめて穏和であるため、絶対強制訓練には不向きで、番犬、ガードドッグには適さない。 猟犬種としての高い資質が、家庭犬に要求される諸条件を見事に満たしている犬種である。 無駄吠え、攻撃性、反抗性が共に低く、女性、子供でも充分に扱える家庭向きで丈夫な犬種である。 体格は大きいが室内で飼育される例が多い。

ゴールデン リトリバー

ゴールデン リトリバー

ゴールデン・リトリバーのあらゆる特性は、猟犬であること以上に家庭犬に適しており、世界に分布する同犬の用途はむしろ愛玩犬としてのものである。 むろん、我が国に移入された多くのゴールデン・リトリバーは家庭犬として飼育されており、猟に使われる例はほとんどない。 ゴールデン・リトリバーの従順温和な気質や優れた嗅覚は、盲導犬や麻薬探査犬としても能力を発揮する。

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